穢れ

Kegare (Spiritual Impurity / Pollution) (けがれ)

祓い清めを必要とする霊的不浄の状態

穢れ(けがれ)は、霊的な不浄の状態を指す神道の概念である。穢れた状態は人を神や共同体から隔て、祓い(はらえ)の儀礼によって除去される。西洋的な「罪」とは異なり道徳的判断を含まない。死・血・病気などとの接触によって後天的に生じる「汚染」に近い概念である。

歴史的に穢れは大きな社会的影響を持っていた。死は最も強力な穢れの源であり、そのため神社は伝統的に死を忌避する(日本の葬儀が仏式で行われるのはこのためである)。月経や出産も穢れとされ、女人禁制の根拠となった——大峰山(おおみねさん)など現在も残る例がある。

現代では穢れの社会的拘束力は弱まっているが、神道の神学においては依然として中心的な概念である。参拝前の手水、半年ごとの大祓式など、霊的清浄を保つことの重要性は変わらない。穢れの概念は原始的な迷信としてではなく、聖なるものと日常との境界を理解するための精緻な枠組みとして捉えるべきである。

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